診療科

大腸癌

大腸癌について

大腸癌は日本人に最も多い癌のひとつです。(死亡数は男性で3位、女性では1位)近年、内視鏡の診断技術が上がり、早期の段階で発見される機会が多くなってきました。早期であれば、適切な処置で治すことが出来るようになりました。

①診断

癌による潰瘍や狭窄があると腹痛や出血を認めることがありますが、通常は自覚症状がありません。早期でみつかれば、内視鏡で切除出来る可能性もあります。現在、大腸ポリープを早期に切除することによって大腸癌の発生率を低下させることが知られています。ですから、できれば年に一度は健康診断でチェックしてもらいポリープがあれば早めに内視鏡で切除しましょう。
近年、内視鏡診断の技術は日々、進歩してきており、微小癌でも高率にみつかるようになってきました。最新の器械をつかって診断することで、より正確に癌のステージを診断しています。

②治療

大腸癌においては、大腸癌治療ガイドラインに従った治療を提供しています。粘膜内癌といわれる非常に軽度な癌は内視鏡的な切除術で治療は終了です。粘膜下層まで浸潤した癌では内視鏡的切除ですむ場合もありますが、リンパ節転移を疑った場合には手術が必要となることがあります。粘膜下層まで浸潤した癌は約10%にリンパ節への転移を認めます。リンパ節は内視鏡治療だけでは切除出来ないため、腸を含めて手術が必要になります。いわゆる進行癌で遠隔転移(肺転移や肝転移など)がない場合は基本的には手術治療が第一選択です。

③当院の大腸癌治療の変遷

院では年間約40~80件の内視鏡治療、約50~80件の大腸癌手術を行っております。大腸腹腔鏡手術のパイオニアである前虎の門病院消化器外科部長、澤田寿仁医師により、患者様に負担の少ない腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、2015年は8割を超える症例に腹腔鏡手術を提供しております。(図1,2,3)

④腹腔鏡手術

これまでの開腹手術では、術者、助手の手がお腹に入るため、約20~30cmの皮膚切開を行います。しかし腹腔鏡手術では、径が5mmと12mmのトロカー(細い筒のようなもの)を全部で4~5本腹腔内に挿入して、そこから細長い鉗子とカメラを出し入れして手術を行います。切除した大腸を取り出すために、約5cm程度の傷を作らなくてはいけませんが、それは虫垂炎(俗にいう盲腸)の手術の傷跡程度しか残りません。この小さな傷ですむということは、美容的な長所以外に以下のような大きな長所を生んでいます。

腹腔鏡下手術の長所

  • (1) 腹壁の機能障害の軽減
  • (2) 術後疼痛の軽減
  • (3) 出血量の軽減
  • (4) 癒着による腸閉塞の軽減
  • (5) 術後呼吸機能低下の軽減